フィトテラピーとは

フィトテラピーとは

フィトテラピーとは

ギリシャ語の「植物=phyto」(フィト)、「療法=therapie」(テラピー)を語源とし、植物に含まれる有効成分を利用して自然治癒力や免疫力を高め、健康を保つ民間療法です。
具体的には、ハーブティ、ハーバルバス、芳香浴、蒸気吸入、湿布、等様々な剤形を用います。植物と人間の関わりは古代ギリシャ・ローマ時代から続いているので、最も歴史のある自然療法と言えるでしょう。

紀元前400年頃、医学の祖と呼ばれるギリシャの医師ヒポクラテスによるハーブ処方を筆頭に、古代ローマの医師ディオスコリデス、ガレノスらの残したハーブ医学の系譜がアラビアを経て中世のヨーロッパに伝わり、19世紀初頭まで、植物療法(フィトテラピー)は医学の中心でした。
科学の進歩によって、薬効成分の解明・合成が可能となり、細菌学者の登場によって「特定病因論」が定着したこと、抗生物質の誕生により近代薬学の台頭が始まりました。
それに反比例して、フィトテラピーは衰退してゆきましたが、20世紀に入り、薬害や副作用など、化学薬品にまつわる問題が急増し、人々の悩みの中心も、伝染性疾患から生活習慣病やこころの病へと変化し、それに伴って医療も一点治療から予防・全体の調和という分野が見直され、改めて植物の持つバランス作用が注目されています。

ヨーロッパでは、今もなお植物療法士(ハーバリスト)による専門アドバイスが必要なメディカルハーブが医療の一端を担っていますが、それ以外は、気軽に楽しく、濃度の低い薬効成分を日々摂取することで、体の細胞を活性化し、じっくりと不快症状を改善する、安全なセルフケアとして、フィトテラピーは人々の生活に溶け込んでいます。
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