癒しのタブレット

癒しのタブレット

投稿日:2016年06月27日
イタリア・フィレンツェに行って来ました。

中世のイタリアでは、医療行為は教会で行われ、
併設された薬草園や調剤室で伝来の製法による秘薬調剤がなされ、人々を救済していました。

フィレンツェには、メディチ家御用達の薬局として高名な、世界最古の薬局、「サンタ・マリア・ノヴェッラ」が現在も営業を行っており、店内にはメディチ家から授けられた証、紋章をはじめ、中世の時代に使用された
乳鉢や天秤などが展示され、当時の調剤風景を伺い知ることができます。

この800年の歴史を誇る薬局は、創業当時の理念を継承し、天然栽培の薬草や油脂を原料として厳選、
商品は健康美のためのお茶やせっけん、化粧水、ポプリなど多岐にわたりますが、店内に一歩足を踏み入れると
馨しい自然の懐に抱かれるような、奥行のある香りのハーモニーに感動を覚えます。

この黄色の可愛らしい缶に入っている清涼剤は、
1614年にドミニコ修道会の教義である「癒し」の実践として、修道士が考案したと言われる秘伝処方をもとに作り継がれています。
冬には身体をあたため、夏には冷やす絶妙の働きをする
ペパーミントと、血液循環を促すシナモン、サンタマリア草などの精油風味が、口に含んだ瞬間、涼しく優しい風が身体の中を吹き抜け、癒される爽快感を運んできます。

ドライブや仕事の合間のリフレッシュタブレットは数多ありますが、薬草薬局の伝統の一粒には、人工的な刺激ではなく、癒しの歴史が閉じ込められているようでした。











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