海洋療法

海洋療法

投稿日:2010年09月25日
バカンスも終わり、パリの街は日焼けした人々が活き活きと行き交っています。オンとオフの切り替えが上手く、快楽主義であるフランスの人々・・・バカンスと言えば、海辺でのんびり、「何もしない」場面を想像しますが、その影には由緒ある療法が存在します。
今日は、海洋療法(タラソテラピー)についてお伝えします。

海水を利用した病気治療を始めたのは古代ギリシャ人であり、19世紀末には、フランス人医師によって、ギリシャ語で「海」を表す「Thalassa」とフランス語で「療法」を表す「Therapie」を合わせた「Thalassotherapie」(タラソテラピー)の原型が整い、フランス・ブルターニュ地方に初の施設が創られました。タラソテラピーの原理は、皮膚から海水中のミネラルを吸収させて、体内器官が必要としている成分を補給し、働きを整えるというものです。

現在でも、発祥の地であるブルターニュ地方を中心に、
歴史に裏打ちされたメソッドを現代的に継承している
タラソテラピーセンターは多数存在し、例えば、海水を34〜37℃ほどに温めて蓄えたプールにジェット機能を設け、物理的に酸素を加えた泡を体に当てるマッサージを施し、静脈の血流を賦活させて、老廃物除去や緊張緩和を狙ったり、海辺の沖積泥と海藻粉末を練り合わせて肌に塗りつけ、ミネラルーヨウ素分を吸収させるなど
積極的な健康増進をサポートしています。

私が訪れた「Thalassa Quiberon」では、以下の6つの項目を療法の骨組みとしていました。

  1)海水と海藻
  2)風土
  3)眠気
  4)遠ざかること
  5)雰囲気
  6)スポーツ

つまり、海水と海藻を用いた療法と同時に、すべてのストレスや疲労の原因から物理的に離れて、ゆっくりと休息をとり、ヨードイオンを含んだ波しぶきを浴びながらの散歩や深呼吸、そして、筋肉を別の観点からほぐすための運動をすることを推奨しています。

日本は、四方を海に囲まれた島国。そして、私たちは先祖代々、美味しい海藻を食卓にのせてきました。
フランスのタラソテラピーの奥義を参考に、
日本の土地らしい海洋療法をご自分へのケアとして、
時に海辺に車を走らせ、果てしなく広がる空と海に癒されて、養生の喜びに浸ってはいかがでしょうか。















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